2010年5月アーカイブ

ばらのふるさと。

ドイツのミュンヘンと、オーストリアのザルツブルク、ウィーンをつなぐ鉄道路線は、

 

ミュンヘンからザルツブルクまで1時間半、ザルツブルクからウィーンまで3時間。

 

宮崎から博多に「にちりん」で行くより近いよね。

 

これまでにも何回か乗る機会があったのだけど、

 

ミュンヘンとザルツブルクの間に、ぼくのお気にいりの地名がある。

 

 

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Rosenheim(ローゼンハイム)」=ばらのふるさと。

 

なんて美しい名前なんだ。

 

今日はそんな世界の車窓から。

 

焚火をしませんか。

と誘われ、ちょっと前に電車でドイツまで行ってきた。

 

オペラを見ませんか、とか、ビールを飲みませんか、とかじゃないんだ。

 

焚火をしませんか、だったんだ。

 

ぼんやり火をながめていると、日々のわずらわしいことを一瞬忘れ、

 

人類のはじまりを考える。

 

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火って、キッチンのガスコンロのアレだけじゃないよな、と思いだす。

 

火に生かされていることに気づく。

 

サイコーの口説き文句は、ぼくに必要だった時間をくれた。

 

ありがとう、本当の友だちよ。

 

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手のデカイ男。

アメリカの、なんとハリウッドで活動する俳優・松崎悠希君が、

 

「パイレーツ・オブ・カリビアン」の最新作に出演が決まったというニュースは、

 

いまの宮崎にとってひとすじの光のような話題だと思う。

 

http://pia-eigaseikatsu.jp/news/153114/39955/

 

松崎君は地元宮崎の中学、高校のふたつ後輩で、手のデカイ男だった。

 

ぼくは高校のとき、音楽室の隣にあるピアノのある小部屋をお借りして

 

うたとピアノの練習を昼休みや放課後にひとりでしていたのだけど、

 

ある日その部屋にその手のデカイ男が突然やってきて、

 

ぼくが「荒城の月」を練習しているのを見て、

 

その「荒城の月」をものすげーいい声で、

 

ものすげーめちゃめちゃなリズムで歌いながらまた去っていった。

 

多分、多分だが、裸足の下にスリッパを、草履か下駄のようにはいていた。

 

とにかくいろいろと型破りだった。

 

手のデカイ男とは中学のときの合唱部でちょっとだけつながりがあったのだけど、

 

今回のニュースは、やはりその合唱部に同じ時期にいたふたつ下の後輩で、

 

中学卒業後にすぐ宝塚音楽学校に合格し、

 

宝塚歌劇団から劇団四季に移って大活躍している、鳥原如未さんが教えてくれた。

 

いまから振り返ると、いい仲間たちと宮崎で青春時代を過ごした。

 

先日、宮崎への応援の気持ちをどうカタチにするかについて書いたけれど、

 

あれから読んでくださった方々からいくつもメールをいただいて、

 

すごく遠くから去年の宮崎でのコンサートに駆けつけてくださった方が、

 

「そのときに宮崎を好きになったから」と義援金を送金してくださったとか、

 

ウィーンに住む友達が「大地君が送る分に足して一緒に送って」と、

 

ユーロでお金を預けてくれたりとか、

 

「自分のブログで紹介させていただきます」と書いてくださったりとか、

 

実際書いてくださったもの読んだりとか、

 

うれしかった。ありがとうございます。

 

手のデカイ男もきっと地球のあっち側で地元のことを案じていると思う。

 

僕はすでに頑張っているひとにガンバレとは言わないことにしているので、

 

映画を楽しみにしていようと思う。

 

そしてもしまたいつか会えたときは、そのデカイ手を握ろうと思う。

 

いわゆる握手だけどね。

宮崎のためにできること。

宮崎県川南町とのつながりができたのは2001年。もう9年前だ。

 

高校のころに在籍していた合唱団で一緒に歌っていた三角(みすみ)さんが、

 

「こんど川南町で音楽祭を立ち上げることになった。

 

モーツァルトの戴冠ミサを演奏するので、テノールのソロを歌ってほしい。」

 

と、まだ芸大の学生だったぼくに本当に突然電話をくださった。

 

「モーツァルト祭」と名付けられたその音楽祭にはそれからもたびたび招かれ、

 

また東京からも音楽仲間を何人も誘って、川南町で演奏した。

 

全町あげてのクリスマスのイルミネーションが有名で、ひとが本当にあたたかい町だ。

 

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去年のモーツァルト祭には5年ぶりに招いていただいて歌いにいった。

 

本番当日の朝、ホテルからホールまでリハーサルに歩いていった。

 

道を自転車ですれ違った地元の小学生の二人組が、

 

「おはようございます!」と、ふいに元気のいいあいさつをしてくれた。

 

この町のあたたかさを改めて感じ、ぼくの心もあたたかくなった。

 

その川南が、そして宮崎県全体が苦しんでいる。

 

川南の牛や豚が、どれだけ愛情を受けて育てられ、どれだけ旨いか、

 

川南のひとたちがどれだけその旨さに誇りを持ち、どんな顔で自慢するか、

 

川南でもてなしていただいてきたぼくはよく知っている。

 

口蹄疫のニュースが出てきたとき、正しい情報がほしくて、

 

東京発信のニュースではなく、地元の農家の方のブログや、

 

地元発信のネット上の記述を選んで探して、一晩中読んだ。

 

そして、川南町役場にお勤めでモーツァルト祭実行委員会の三角さんに、

 

「できるだけ直接的に」川南の力になるには、どの方法が一番いいのか、

 

をメールで伺い、お忙しい中ご回答をいただいた。

 

モーツァルト祭実行委員会や、合唱団のメンバーのみなさんの中には、

 

川南で農業をされている方が沢山いらっしゃる。

 

名実ともに川南町あげての手作りの音楽祭なのだ。

 

募金や支援に関してはいくつもオフィシャルな窓口ができていますが、

 

ひとつの可能性、方法として以下に三角さんのメールを抜粋してご紹介します。

 

 

「口蹄疫が猛威を振るっています。

とどまるところを知りません。

このままの勢いで広がると、川南町の牛、豚は全滅します。

そうならないように、連日、数百人体制で

処理と予防に全力を注いでいます。

 

 

多くの方々のご好意を受け、昨日、支援金の受け入れ体制が

ようやく整いました。

 

口座名義は全て下記の名義です。

 

 川南町口蹄疫対策支援金 川南町長 内野宮正英(ウチノミヤマサヨシ)

 

 

 宮崎銀行 川南支店 普通 口座番号 58905

 

 (銀行窓口で「後収等専用」の払込用紙にて振込みをお願いします。)

 

 高鍋信用金庫 川南支店 普通 口座番号 1187264

 

 尾鈴農業協同組合 本所 普通 口座番号 0088983

 

 

※現在振込手数料を免除していただくよう各金融機関と調整中だそうですが

 金融機関によっては免除できない場合もあるとのことです。

 

※ATM,インターネットでは、振込・振替手数料がかかります。

 ご理解をお願いします。

 

以上です。

よろしくお願いします。

 

 

モーツァルト祭は、今年が10周年です。

先日、510日に東国原宮崎県知事より、

宮崎県地域づくり顕彰事業による表彰を受けました。

1個人、3団体のうちの1つで、大変名誉なことであるとともに、

責任も重くなったような気がします。

 

それでは、また連絡します。 三角」

 

 

 

海外からふるさと宮崎のことを強く思うぼくに今日できることは、

 

現場の声、状況を正しく知り、個人レベルでいま何ができるのかを考え、

 

これまで川南や宮崎で一緒に演奏したことのある音楽仲間に知らせ、

 

東京やほかの地域に住む宮崎出身の仲間となにができるかを話し合い、

 

自分自身も微力ながらお金を送ることだと思った。

 

やはり2001年当時からモーツァルト祭に合唱指揮者として関わってきた、

 

宮崎県都城市に住む菊村隆史さんは、在住者として次のような回答をくださった。

 

「私たちにできるのは、

1.
正しい知識を得る事
2.
その知識を啓発する事

3.
積極的に購入・消費する事


ということでしょうか」

 

価値観はそれぞれ、応援の仕方もそれぞれだと思う。

 

宮崎にかかわるひと、そうでないひと、関係なくできるだけ多くのひとで、

 

みんなで、それぞれのできる方法で、宮崎を応援したい。

 

この文章を読んでくださったみなさん、ぜひ一緒に宮崎を応援していただけませんか。

 

どうかよろしくお願いします。

 

ウィーンより 藤木大地

 

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2009年川南町トロントロンドームモーツァルト祭より。

世界の車窓から。

 

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ちょっとだけ遠出しています。
 
 
車内でもやらないといけないことだらけで、4時間半の移動は意外にあっという間。

キングだらけ。

 

 

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バーガーキングには、キングがいっぱい!

わたし瞑想しにいくのよ。

と、経営学の同僚で、芸術協会で展覧会のオーガナイズをしているコルネリアが言う。

 

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なんのことやら、と思っていたら、「禅」のクラスに通っているらしい。

 

ほら、と般若心境の本を見せてくれ、唱えてみてくれた。

 

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世界のジャパンからだなぁ。

 

ぼくの発声テクニックの先生はもうすぐ70歳に届こうとする現役歌手なのだけど、

 

「朝起きたらまず瞑想しろ。最低45分。

 

おれは43年間のキャリアでずっとこれを続けてきた。

 

体内にどういう呼吸がめぐるか、感じるんだ。

 

煩悩を捨てて、ストレスも捨てて、ただリラックスするんだ。」

 

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現代人たるぼくの朝は、起きたらまずメールチェック、そのあとコーヒー、ごはん・・・。

 

よくない。

 

毎朝45分の瞑想の時間がとれるよう、規則ただしく生きられたら・・・

 

スーパーサイヤ人になれるかも。

 

じゃ、パソコン仕事にもどります。(DAMEJAN)

 

・・・ふつうのサイヤ人をとりあえず目指します。

 

ちなみにコルネリアの名字は「ケーニヒ」と言って、日本語で「王様」。

 

もしぼくがケーニヒ家になんらかの形で入って名字が変わるとしたら・・・

 

王様大地。

 

キング大地。

 

ライオン・・・

 

・・・さぁ、仕事に戻ります。

4大こわいもの。

地震。

 

カミナリ。

 

火事。

 

まつき!

 

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と、いうことで、 4番目はホントはおやじなんだけど、

 

 きょう、盟友ピアニスト・松本和将くん(まつき)が

 

おやじになった!

 

 ので、今日は特別にこわいもの4番目はニューおやじまつきで。

 

 ニューおやじと息子(龍之介氏)の神々しい写真は、

 

 まつき君のブログ(http://www.kaz-matsumoto.cocolog-nifty.com/

 

をご覧ください。

 

上の写真は、ぼくがボローニャ留学中にリサイタルをやったとき。

 

 わざわざ日本からまつきが伴奏しに飛んできてくれた時の写真。

 

2006年5月21日。

 

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もう4年も経ったか。

 

そりゃワールドカップもまた始まるわ。

 

そりゃまつきもみやじになるわ。(みそじのおやじ)

 

心から祝福します。おめでとう!

シューマン通り。

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ほかにもいろいろあります。

 

ヨハン・シュトラウス通り、とかシューベルト通り、とかパパゲーノ通りとか。

 

トウキョウ通り、とかセタガヤパークとかもあります。姉妹都市の関係らしい。

勉強と練習。

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論文を執筆するために読まないといけない文章もたんまりあり、

 

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コンサートやオーディションのために準備しないといけない曲たちもたんまりある。

 

仕事しにぎゅうぎゅうのスケジュールで日本に帰っているときは、

 

こんな作業をゆっくりとする時間はないから、

 

こんなに贅沢な時間の使い方は後にも先にもないなぁ、と思う。

 

充電して、放電する。なんでもメリハリがだいじ。

 

なにかからインスピレーションを受けて、

 

いままで以上にモチベーションを持って、没頭して真剣に物事に向き合うと、

 

ハードルの本当の高さに気づくし、その気づきで悔しくなることもある。

 

そんなことがあった日は、別の場面でポジティブなことも起こすように、

 

友だちに会ったり、街を歩いてみたり、新しいことをはじめてみたりする。

 

この作戦、いまのところ意外とうまくいっている。

 

たとえば今日は、ずっとほしかった「まきす」を買って、

 

生まれてはじめて「巻きずし」を巻いてみた。

 

結構うまくいったのよ、それが。それだけでハッピー。

 

わたしをとりまくすべてのファクターに感謝。

日曜のえんそく。

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なのはなのじゅうたん。

 

目的は、

 

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いい週末だった。月曜からまたがんばろう!

 

おまけ。

 

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世界のトイレから。

土曜のえんそく。

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の、おめあて。

 

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↑ワイナリー兼直売所でワイン試飲→購入と、ぬるめの温泉でした。

 

こちらには日本人のようにお風呂文化がないので、バスタブのついていない住居が多く、

 

普段はシャワーしか浴びられないので、すばらしき気分転換。

東京タワー。

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日本の大型連休は日本だけで、こちらはフツーのカレンダーでした。

 

もう7年も前、東京に住んでいた私は大型連休に何もすることがなくて、

 

ふと思いたって自転車で山手線を一周したことがありました。

 

線路にほぼ忠実に進んでいると、

 

電車に乗っているときにはわからないアップダウンがあったり、

 

線路沿いには行けない区間があったり。

 

一周達成するまえに飽きてきて、東京タワーに寄り道しました。

 

東京で暮らすころを夢みていた中学生くらいの頃に、

 

ブルートレインなどで何度かひとりで上京したこともあって、

 

そういうときは、宮崎に帰る前に決まって東京のシンボル・東京タワーにのぼって

 

夢見る東京の街にむかって、「またくるぞ」とつぶやいたものです。

 

そんな青春な日々も今は昔。東京スカイツリーが建設中だとか。

 

夢見た東京には10年住みました。

 

生まれ育った宮崎周辺には大体18年。イタリアに1年。ウィーンに1年半。

 

「またくるぞ」とつぶやくほど夢みた街は、結局東京だけだったのかも。

 

まとまらないけど今日はこの辺で。よい週末を。

うどメン。

こないだ明太子をくれた、(日本の)大学の後輩のテノール川添隆伸くん。香川県出身。

 

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が、この手で打ってくれたうどん。

 

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ゆでるとこうなる。

 

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をいただいた、ウィーン合宿中のテノール・望月哲也さんと川添くんとぼく。

 

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ウィーン・3兄弟テノール。

 

おなじ師匠、寛一先生のもとで、大学時代に声楽を学んだのです。

 

その学び舎での出会いから、もう10年以上が経ちました。

 

10年経ってウィーンで一緒にうどん食えるなんて、うれしい。

コリアtoヴィエナ。

韓国から、ヨーロッパのオペラハウス視察行脚にいらしたおふたり。

 

韓国のオペラハウスでマーケティング部門とプレス部門で働きながら、

 

文化マネジメントを扱う独自の会社も最近設立したらしい。見ての通りまだ若い。

 

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彼女たちはロンドンやパリ、ドイツ諸都市のハウスの訪問を経て、

 

ウィーンにたどり着いた。

 

そして、プレス部門からの指名で、ぼくがインタビューを受けることになった。

 

ヨーロッパのオペラハウスに受け入れられて研修しているアジア人、

 

という立場だかららしい。

 

英語もすごくしっかりしていたし、くれる質問もものすごく的を得ていて、刺激的だった。

 

その日の夜行でまたドイツに戻る、と言っていた。

 

すごいヴァイタリティを感じた。

 

同じアジア人として、負けてられないなぁ、と思った。

今日あることを楽しむ。

オペラ座に「愛の妙薬」と「清教徒」のふたつの演目の主役テノールを歌うために

 

ウィーンに来ていた、スペイン人テノールのホセ・ブロスさんと久々に劇場で再会した。

 

2008年のウィーン国立歌劇場日本公演にぼくがウィーンから帯同させてもらったとき、

 

ホセはその日本公演の「ロベルト・デヴリュー」に主演していて、

 

彼は確かそのまま東京からバルセロナに帰ったので、1年半ぶりの感動の再会だった。

 

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今回はちょっと時間があったので、

 

楽屋食堂でお茶を飲みながらいろんな話をすることができた。

 

キャリアを始めたころの話、テクニックの話、これからのレパートリーの話・・・

 

などをする中で、とっても心に響いた一言があった。

 

 

「おれたちはコーヒーマシーンじゃないんだ。

 

エスプレッソのボタンを押したらエスプレッソが出て、

 

カプチーノのボタンを押したらカプチーノが出るわけじゃない。

 

長く歌っていても、調子のいいときがあれば悪いときもあるし、

 

いいときと悪いときのバランスがあって、毎日があるんだ。

 

人間だからね。

 

だから、オレのモットーは、 <今日あることを楽しもう> ってことなんだよ」

 

 

ちょうどその日、ぼくはいつもより早起きをして、あぁ時間が有効に使えるなぁ、

 

楽しもうトゥデイだなぁ、と思って、

 

予定よりずっと早めに劇場に行ってみたら偶然実現したホセとの再会だったので、

 

運命をかんじた。

 

ので、運命の記念にホセのCDを売店で買って、終演後に楽屋に持っていて、

 

サインをしてもらったのでした。

 

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体調のあまりよくないときも、ちょっとしんどいことがあったときも、

 

それも含めていまを楽しもう、と思えて、それ以来結構調子いいよ。

博士のアペリティフ。

イタリア人親友・ロレンツォ博士が自宅に招いてくれたアペリティフ(食前酒)。

 

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イースターにやった音楽ブランチが楽しかったので、

 

今度は夜にやることにした音楽のあそび。

 

ヨーロッパで食前酒といえば、レストランで食事の前に飲む、というスタイルのほかに、

 

まだちょっと明るいうちにカフェやバール(イタリアの立ち飲みカフェ)で、

 

何かつまみながら仲間とお酒を飲む、という意味合いも強い。

 

「お茶しない?」と同じニュアンス(もしくは軽さ)で「食前酒しない?」は使われる。

 

イタリアのバールなんか、食前酒の時間帯は飲み物の値段(大体600円くらい)だけで、

 

おつまみたるビュッフェ(チーズやハムから、パスタ、ピッツァまで)が食べ放題なので、

 

まだ20代半ばだったイタリア留学時代は、それで安く夕食分のおなかを満たしていた。

 

ちなみにハタチ前後だった大学時代は、吉野家の牛丼つゆだく並盛に、

 

白いごはんをエキストラで頼んで、

 

「肉で白いご飯」、「つゆだくのつゆでごはん」を食べ、

 

つまり1杯分のおかずでごはんを2倍食べるという作戦で、

 

おなかを満たしていた・・・。もうムリだろうな。できても理性がやらせないな。

 

ハナシがそれた。

 

今度のロレンツォんちのアペリティフには、いわゆるホームパーティにも関わらず

 

在ローマのオーストリア大使もプライヴェートで招かれていて、


 

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ロレンツォの誰でも仲良くなっちゃう人柄そのままのあたたかい会だった。

 

ギリシャ人の指揮者・タシオスがいたので、彼がピアノを弾いてくれて、

 

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会話の合間に遊びでみんなで何曲かソロやアンサンブルを歌ったのだけど、

 

ギリシャからウィーンに仕事のチャンスを求めて移住して2カ月の、

 

カウンターテナー・ニコラスのうたは本当にうまかったなぁ。

 

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いつか日本に連れて帰って紹介したいと思っているくらい。

 

とにかくヨーロッパらしい、たのしい遊びだった。

 

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などど書きながらなんでこれがヨーロッパらしいのかなぁ、とちょっと考えてみたのだけど、

 

食前酒の習慣や、洋酒、ハムやチーズなどの食事の習慣のほかに、

 

住居の天井が高く、広さもゆったりしていて人を招待しやすいからかもなぁ。

ゆくひとくるひと。

世界中から音楽家、音楽学生が集まる都に住んでいると、

 

留学をしにくるひと、仕事のチャンスを求めてくるひと、

 

仕事が決まったから移住してくるひと、

 

そして、それらを終えて日本に完全に帰国していくひと・・・。

 

もちろん音楽関係者に限らず、ひとの入れ替わりは本当に激しい。

 

新国立劇場で同じ釜の飯を食った彼らが、

 

ミュンヘンからウィーンに引っ越してくることになった。

 

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町英和くんと吉田珠代さん、待ってるお。

世界のレッスン室から。

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発声テクニックのレッスンを受けている、ウィーンフォルクスオパーのレッスン室。

スペランツァ。

夕暮れどきのオペラ座で、劇場専属ピアニストのスペランツァのコーチング。

 

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彼女はなんでもはっきりモノを言うので、気持ちがいい。

 

コーチングを受けていても、いいものはいい、ダメなところはダメ。

 

「私は正直だから」が口癖で、なんでも言う。

 

音楽のレッスンで指摘すべき欠点は、デリケートなことが多いので、

 

オブラートに包もうと思えばいくらでもできるし、そのほうが精神的には楽だ。

 

教えるほうも、教わるほうも。

 

でも、たぶんそれではなかなか発展にはつながりにくい。

 

だから、本音で付き合える相手は大事だ。

 

世界の帝王、マエストロ・ムーティから全面的に信頼され、

 

その指揮の大巨匠の指名で世界を飛び回り、

 

ネトレプコやヴィラゾンやグルベローヴァをはじめとするスター歌手のリハーサルで、

 

常にピアノを弾いているスペランツァの本音は、オペラ界では絶対に信じていい本音だ。

 

だから、「だいち、うまくなったじゃん」と言われたときはうれしかった。

 

ところでそのスペランツァが、職業病とも言える肩の痛みに悩んでいたことがあって、

 

ぼくはジャパンから、彼女のためにこれを持って帰ってプレゼントした。

 

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これがすごく効いたようで、こないだ日本で仕事をしたときに、4箱買ってきたそうだ。

 

「でさー、マエストロ・ムーティも日本で肩が痛いっていうから、勧めたのよ、

 

そしたら、自分でこれ肩に塗ってみて<うむ。>って言ってたよ。」

 

ぼくのおみやげは、ついにマエストロ・ムーティの肩にまで到達した。

 

これまで、ぼくは音楽そのもののことはあまり書いてこなかなった。

 

ウィーンでもらった明太子食べて、路上の変なもの見つけて写真撮って楽しんでる、

 

と思われていたかもしれない。

 

実は理由があって、音楽にかかわる繊細なことをちゃんと誤解ないように伝えるのは、

 

結構大変だからだ。

 

でもここのところ、いろんな発見もあるので、ちょっとずつ書きたいと思います。

 

決意の美しき5月に。

 

街で見つけた変なものもときどき載せるけどね。

*『藤木大地』オフィシャルHP

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カウンターテナー歌手。
2012年、日本音楽コンクール第1位。カウンターテナーとして史上初の優勝者となり、大きな話題となった。13年にボローニャ歌劇場にデビュー。14年、15年には N H K ニューイヤーオペラコンサートに2年連続出演し、さらにはウィーン国立歌劇場と14/15シーズンの客演契約を結ぶなど、国際的な活動を展開する、現在最も注目を集めるアーティストのひとりである。東京藝術大学卒業。新国立劇場オペラ研修所修了。新国立劇場にテノールとしてデビュー後、ボローニャ、ウィーンに留学。11年にカウンターテナーに転向。12年国際ハンス・ガボア・ベルヴェデーレ声楽コンクール世界大会にてハンス・ガボア賞を受賞。宮崎市出身。ウィーン在住。
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