2012年6月アーカイブ

イタリアデビュー。

ウィーンなう。


1週間イタリアでリハーサルとオーディションでした。


世界のリハーサル室窓から。


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その旅の間にローマで制作発表があり、


話がオフィシャルになったらしいので、お知らせできます。


今年の9月にイタリア・マルケ州で開催される、


「第12回ペルゴレージ・スポンティーニ・フェスティバル」にて、


イタリアデビューが叶うことになりました。


フェスティバルのサイトより抜粋。


domenica 9 settembre 2012, ore 21
Monte San Vito, Teatro La Fortuna
VOCI DA LONTANO
musiche di L. Rossi, G. Carissimi, L. Donati

controtenore Batyrzhan 
Smakov *
controtenore 
Daichi Fujiki
controtenore 
Ilham Nazarov*
*Allievi dell'Accademia di Arte Lirica di Osimo

concertatore al clavicembalo
 Stefano Demicheli
violoncello 
Alberto Guerrero
liuto 
Ugo Di Giovanni



イタリア語ですが、2012年9月9日の欄をごらんください。


内容はコンサートで、イタリア在住の2人のカウンターテナーとの共演です。


今回のイタリアリハは、その2人との顔合わせと音合わせのためでした。


ぼくたち3人のために新曲も委嘱され、世界初演される予定です。


カウンターテナーに転向して1年半弱、


コンサートではいつも素晴らしい音楽家と共演することができ、


その傍らで休まずに訓練、挑戦を続けてきましたが、


ようやくひとつの大きな節目を迎えることができました。


まさかヨーロッパでの最初の大仕事がイタリアになるとは思わなかったけど。


イタリア留学を夢見てはじめて訪れた海外、イタリア。


はじめて留学した国、イタリア。


オペラの生まれた国、イタリア。


パスポートとか一切合切盗まれた国、イタリア。


ご縁がありました。


Jun2012teatrobo.jpg

滞在の終盤にはヴェネツィアのフェニーチェ劇場で


オーディションの予定が入っていたんだけど、


2日前くらいにキャンセルになり、


でもそのかわりにボローニャ歌劇場で聴いてもらえました。


6年前のボローニャ留学時代、天井桟敷に通った劇場。


感無量でしたね。


友だちにも久々に会えたし、よかったな。


ちょっと気を張っていたのと、一筋縄ではいかない仕事で、


最後の仕事がおわったあと、


熱が出て寝込みました。


ウィーンまでの移動がつらかった。


とにかく、いいお知らせができてよかったです。


これからもがんばります。


いつもかわらずにむかえてくれる、ボローニャの親友たちと。


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線路はつづく。


4.Jun.jpg


道。


なにから書けばいいのでしょう。


ご無沙汰している間、とてもいろんなことがありましたが、げんきです。


相変わらずの移動生活の合間に、数日だけウィーンにいます。


旅が続くと栄養が偏るので、ここ数日はひたすら野菜を食べています。


短期間で居場所がかわると、気温の変化も激しいので、


体調を崩さないように気を遣います。


中学生のころ、図書館に分厚い世界地図の本がありました。


クラスメイトのみんなが文学や趣味の本に読みふけるなか、


ぼくは興奮しながらその世界地図の本のページをめくって、


まだ見ぬ土地に思いをはせながら、


おれは世界をまたにかける仕事がしたいんだ、


そう強く思ったものでした。


またにかけるなんて大それたものではないけれど、


多くの方のおかげで、


たくさんの土地や異なる文化を知るという意味では、


それはある部分で現実となっているのかもしれません。


その旅の目的は仕事としてのコンサートでの演奏だったり、


活動の場を広げるための挑戦、コンクールやオーディションだったり、


技術を磨くために人に教えをいただくことだったり、


人にお会いしてすでに決まっている仕事の話を進めることだったり、、、


楽しみ、いわゆる旅行やヴァカンスが目的であることはほとんどないのだけど、


自分なりにその土地との付き合い方がわかってきて、


新しい街でも、もう訪れたことのある街でも、


集中して気を張っている中でも楽しみを見つけることができます。


先週は国際コンクールでイタリアの北部にいました。


入賞できたらいいなと思っていたけれど、結果はセミファイナリスト。


湖畔のきれいな街に4泊くらいした中で、


毎日同じお店で食事をして、同じバールでエスプレッソを飲んで。


滞在の最後にはレストランでえらくサービスしてもらったり、


散歩していたら、ランニングしているひとに


「ちゃお、ほら、わたし、あんたが毎日いるバールのおばさんよ!」


と声をかけてもらえたり。


イタリアのそういう人なつっこいところはずっと好きだなあ。


こうやって各地をコンクールやオーディションで転戦していると、


なんかスポーツの国際試合やってるみたいだなーと。


今回泊まったホテルだって、豪華ホテルなんかじゃなくて、


コンクール事務局が手配してくれた4人部屋のユースホステル。


勝ち進んでいる間はタダでとめてもらえる、


負けたら翌朝チェックアウトね、のシビアな世界。


4人部屋2段ベッドだから、誰かが起きると物音がして、必然的に早起きになる。


ルームメイトはコンクールで戦うライバルで、


それはそれは立派な声で発声練習してる。


なんなんだこいつらは、という声だった。


特にテノールたち。


きみらはなんでここにいるんですか?賞金稼ぎですか?みたいな。


やつらのパヴァロッティみたいな声をきいて、


やっぱここはイタリアなんだなーと思った。


よほど鈍感でなければ井の中の蛙でいられない状況。


でもあんなやつらと同じ土俵でたたかえているのがうれしかった。


そしてやっぱりみんな音楽に人生を賭けている仲間だから、


ライバルだけど仲良くなれる。


こんなふうにあちこちで試合やワールドカップがあって、


世界から集まるライバルと磨いた歌を競って。


音楽は本来競うものではないというのがぼくの基本的な意見だけど、


そこで自分の声と音楽でアピールして、


誰かに目に留まれば次のステージにつながるから、


やっぱりいつも歌を磨いて、音楽を磨いて、戦い続けなければならない。


カウンターテナーに転向して1年半弱。


このような挑戦を続けられる環境があったことによって、


素晴らしい音楽家との共演の機会にも恵まれ続けているし、


世界最高級の学びの機会も得られています。


音楽にゴールはないから、


たとえどんなにステキなキャリアを歩んでいたとしても、


一生学び、挑戦し続けなければならないのです。


この挑戦は、外的でも内的でもあると思う。


オフィシャルにはまたお伝えできると思いますが、


続けて来た挑戦はいろいろと実を結びはじめました。


何を書きたいのかわからなくなってきましたが、


もし長い事便りがなくてもぼくは元気にやっていますので。


来年は東京にも地元にもまた歌いにいく予定があります。


5月にちらっと(ていうか1日だけ)宮崎にかえり、


宮崎国際音楽祭のファイナルコンサートを聴きました。


お客さんとして聴いたので当然客席にいたのだけれど、


実にたくさんの方がぼくに話しかけてくださって、うれしかったです。


もうライフワークとなってきた、「大作戦!」もまたやりますので。


線路は細くて曲がっているけれど、


ずっと先までぼくの道は自分の目ではみえていて、


ゆっくり信念をもって運転すれば、脱線することなく前に進めます。


途中には時々駅もあるし、疲れても大丈夫。


何日か前にイタリアから帰って来たばっかりだけど、


あさってからまたイタリアの別の街で、


秋に出演する予定のコンサートのためのリハーサルです。


野菜たべます。青汁のみます。


よい6月を!


また書きます。

*『藤木大地』オフィシャルHP

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カウンターテナー歌手。
2012年、日本音楽コンクール第1位。カウンターテナーとして史上初の優勝者となり、大きな話題となった。13年にボローニャ歌劇場にデビュー。14年、15年には N H K ニューイヤーオペラコンサートに2年連続出演し、さらにはウィーン国立歌劇場と14/15シーズンの客演契約を結ぶなど、国際的な活動を展開する、現在最も注目を集めるアーティストのひとりである。東京藝術大学卒業。新国立劇場オペラ研修所修了。新国立劇場にテノールとしてデビュー後、ボローニャ、ウィーンに留学。11年にカウンターテナーに転向。12年国際ハンス・ガボア・ベルヴェデーレ声楽コンクール世界大会にてハンス・ガボア賞を受賞。宮崎市出身。ウィーン在住。
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