2013年8月アーカイブ

201397日(東京)、98日(宮崎)ソロリサイタル


藤木大地(カウンターテナー)、河野紘子(ピアノ)


プログラム


・リュートを弾くオルフェウス(ヴォーン=ウィリアムズ 1872-1958

・リンデン・リー(ヴォーン=ウィリアムズ)

・静かな真昼(ヴォーン=ウィリアムズ)

・ダヴィデ王(ハウエルズ 1892-1983

・サリー・ガーデン(ブリテン 1913-1976

・ばらよりも甘く(パーセル 1659-1695/ブリテン編曲)



・この道(山田耕筰 1886-1965

・お菓子と娘(橋本國彦1904-1949

・くちなし(高田三郎 1913-2000

・小さな空(武満徹 1930-1996

・夢みたものは・・・・・・(木下牧子1956-



・主、家を建てたもうにあらざれば "ニシ・ドミヌス"(ヴィヴァルディ)

だが、あの甘いさえずりを聞いてよいのだろうか "ヘラクレスの選択"

(ヘンデル

・主よ、憐れみたまえ "マタイ受難曲"(バッハ1685-1750

・主は私の羊飼い "チチェスター詩篇" 第2楽章(バーンスタイン 1918-1990



・オベロンの独白 "夏夜の夢"(ブリテン)

・樹木の陰で "セルセ"(ヘンデル 1685-1759

・風よ、旋風よ、この足にお前たちの翼をくれ "リナルド"(ヘンデル)

・おお、祖国よ〜この胸の高鳴りに "タンクレディ"(ロッシーニ 1792-1868



9月  7日(土)13:30  府中の森芸術劇場(東京)詳細
9月  8日(日)16:00   メディキット県民文化センター(宮崎)詳細


宮崎県立芸術劇場のゆるキャラ、みくモンと。


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"いま"へのお誘い。

いろいろなコンサートの形式がある中で、ソロリサイタルというのは、その日の演奏の全責任をまかされる、演奏家にとってはきわめて重要で、かつ実力と真価を問われる機会であると思います。

そんな重要なソロリサイタルがもうすぐ東京と宮崎であるのです。2日連続で。東京はホールのご主催、宮崎はホールのご主催(開館20周年記念事業)に、テレビ局(開局60周年記念事業)と出身高校の同窓会(創立125周年記念事業)のご共催をいただき、しかもそれぞれの記念事業にしていただいているという、大変ありがたいコンサートです。みなさま、ほんとうにありがとうございます。

クラシックの演奏家がソロリサイタルをやりたければ、多くの場合は自分で企画をして、自分でホールを借りて、自分でチケットを売って、というのがスタンダードである中、そもそもがいつも以上にプレッシャーのかかる状況で、演奏のみに集中することができるのはこれ以上ない環境で、大変ありがたいことなのです。

そのようなありがたい機会だからこそ、演奏で実力が問われるのと同じように内容にもセンスを問われるので、ソロリサイタルの際のプログラミングにはいつにも増して慎重になります。

こんどの9月のリサイタルは、特に日本のコンクールでの優勝と、イタリアでのデビューの凱旋公演であると主催者の方々が位置づけてくださったこともあり、150キロのストレートを9回まで投げきるようなプログラムとなりました。

昨年の日本音コンでプログラムのメインとしたイギリスのうた、「この道」や「小さな空」を含むすはらしい日本のうた、そして近年ヨーロッパでのコンクールやオーディションをたたかってきたメインレパートリーである、宗教的作品とオペラのアリア。

このプログラムでソロリサイタルをやれば、ぼくのすべてが見えてしまうはずです。何十年後かの引退リサイタルでも同じプログラムを組むかもしれません。それほどに自分が愛し、自分自身をさらけだすレパートリーです。全プログラムは改めてお知らせしたいと思います。

ソロリサイタルはこれからもやりますが、凱旋公演はキャリアの中で一度だけです。フジキの"いま"をぜひ多くの方に聞いていただけたらうれしいです。

9月  7日(土)13:30
府中の森芸術劇場(東京)
9月  8日(日)16:00  
メディキット県民文化センター(宮崎)

今回は二都市で、高校球児のように連投します。リリーフピッチャーはいませんが、イタリアで六連投した経験もきっと生きるでしょう。一試合目も二試合目も、全力投球します。キャッチャー(ピアノ伴奏)はおなじみ河野紘子さんです。

詳細は上記、出演予定の記事からとべるようになっています。

来月、劇場でお会いしましょう。

お待ちしています。

この夏。

たとえばボローニャでのオペラや、宮崎でのとてもハッピーな"みんなに音楽♪大作戦!"のこと、ダブリンでのメサイアとスターバト・マーテルのコンサート、ギリシャでのカウンターテナーキャンプ、ミュンヘンでのジャパンフェスティバル......ゆっくり振り返りたいことも、この場でお礼を申し上げたいことも、伝えたいすばらしい経験も山ほどあるのだけれど、目線も心も前を向いていなければ、体だけが過去に取り残されてしまいそうな、ウィーンで迎える五回目の夏の日々です。上に書いたぜんぶの出来事からまだ二ヶ月も経っていないのにね。

そのくらい今年は内外で音楽家として多くの演奏機会に恵まれていて、挑戦、挑戦、勝っても負けてもまた挑戦だった一年前のことを考えると、本当にありがたいなぁと思います。たった二年前は、ぼくがカウンターテナーになったことすら誰もしらなかったわけです。そのことを考えれば、気にかけてくださる方もずいぶん増えました。

演奏家としてのプロフィールや演奏予定で目にみえているものは、そんな挑戦たちの中でたまたまうまくいったものとか、それがきっかけで開けた未来とか、つまりそういうことなので、それよりずっと多い、実らなかった努力、失敗や敗北、苦く悔しい思い出は、表にはほとんど出ないけれど、未来をつくるための自分の経験として確実に蓄積されています。

演奏という意味でのアウトプットをかなりのペースでしていた今年上半期の仕事を無事に終えて、この夏はウィーンにこもって、勉強、練習、教えを請う、という意味でのインプットの日々です。レストランでいうと仕込みの段階ですね。こういう時間をきちんと作らないとおいしい料理が出せません。
今後演奏する予定のなにを、いつ、どういうふうに仕込みはじめるかは全部自分で決めるので、時間的にはかなり自由がきくのですが、集中力を使います。

ところで先月、ぼくはギリシャのアテネで夕陽をながめたのですよ。その街で一番高いところにある丘から。向こうにパルテノン神殿がみえるわけです。現代に生きるわれわれが知る、文学、政治、哲学、演劇などは、あの国からはじまったのだ。そう考えるだけでその景色をただ尊敬できたのです。44世紀前のものがギリシャには現存するのだけれど、ぼくはたったの33歳です。ひとは歴史には勝てないけれど、かんばれば歴史をつくることはできるのではないかなと思います。

ぼくらは数百年の歴史を生き残ってきた音楽に対していつでも正直でいて、練習でも、本番でも、その音楽にまっすぐに向かい合う。それができたときにはじめて、自分という媒体を通じて世に出た音楽が、あるべき姿で人の心に届くと思うのです。だから媒体としての自分がいつもベストであるために、精神的にも、肉体的にも健康で居続けなればなりません。

時間は有限、人生も有限、無限なものはない。それならば、絶対に大事にすべきこと、実はそうでもないこと、いつも自分で思い切って決めて、時間を使ってみることにしました。

この秋に日本で予定されているコンサートやオペラのどれもを、ぼくはとても楽しみにしているのだけれど、それらのすべてもきっとすぐに過去になるんでしょうね。

どこかで聴いていただくのを楽しみにしています。

*『藤木大地』オフィシャルHP

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カウンターテナー歌手。
2012年、日本音楽コンクール第1位。カウンターテナーとして史上初の優勝者となり、大きな話題となった。13年にボローニャ歌劇場にデビュー。14年、15年には N H K ニューイヤーオペラコンサートに2年連続出演し、さらにはウィーン国立歌劇場と14/15シーズンの客演契約を結ぶなど、国際的な活動を展開する、現在最も注目を集めるアーティストのひとりである。東京藝術大学卒業。新国立劇場オペラ研修所修了。新国立劇場にテノールとしてデビュー後、ボローニャ、ウィーンに留学。11年にカウンターテナーに転向。12年国際ハンス・ガボア・ベルヴェデーレ声楽コンクール世界大会にてハンス・ガボア賞を受賞。宮崎市出身。ウィーン在住。
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