2013年10月アーカイブ

日生劇場にはいりました。

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人生初日生劇場の舞台。セットが組まれたステージと、リハーサル中で関係者しかいない客席にはすでに一体感がありました。もっといろいろと書きたいこともあるのですが、オレは寝なければならぬ。

10/31付宮崎日日新聞「音楽の窓」欄に9/8宮崎リサイタルのレビューが掲載されたそうです。それから、発売中の「音楽の友11月号」155ページには9/7の東京リサイタルのレビューが掲載されています。よろしければごらんください。

ちゃお。

11月8日(金)18:30 日生劇場(東京)
11月9日(土)14:00 同上
11月10日 (日)14:00   同上

デイリー・リア王。

11月に日生劇場で3公演出演する日本初演のオペラ「リア」の立ち稽古も佳境を迎えています。寝てもさめてもオペラとはこのことで、いちどオペラのプロダクションの期間に入ると、日中はずっと稽古、夢にまでその音楽が登場するのです。特に今回のように音楽が現代モノだと、あのフレーズは何拍目で入るんだっけ、2拍目だっけ3拍目だっけ、という悪夢をみるのだ。

オペラのリハーサルは、日本では相撲のように「稽古」と呼ばれ、リハーサル場は稽古場(ケイコバ)と呼ばれる。本番と同じサイズのセットが組まれたその稽古場である程度仕上げてから、稽古のプロセスは公演会場である劇場に移るのだけど、いまはケイコバでのケイコがほぼ終わりかけた状況です。

つまり今日まで1ヶ月くらいそのケイコバにほぼ毎日通い、昼から夜までケイコをしてきたのである。春に出演したボローニャ歌劇場でのオペラたちは大体2週間くらいの稽古で初日を迎えたので、イタリアではオールシングルキャストであったこと、ニュープロダクション(新演出)ではなかったことを差し引いても、日本のオペラにはずいぶん時間と労力がかけられていると思う。
この時間と労力を、たった3公演で昇華させるわけだから、そのエネルギーのかたまりのような仕事をぜひ観ていただきたいと思うのです。

オペラの現場はとても楽しいのです。毎日ケイコバにいけばいつもの人たちに会えるし、歌手も音楽スタッフも演出スタッフも舞台スタッフも技術スタッフも衣裳スタッフもヘアメイクスタッフも制作スタッフも、そしてきっとオーケストラのみなさんも、オペラという一大舞台芸術に関わるプロフェッショナルがみんな、公演の成功という同じ目標を向いている。それが1ヶ月以上続くとファミリーのようになるのですね。
それで、最後の公演が終わった翌日からはもう誰にも会わなくなる。ケイコが佳境になってくると、ぼくはその別れもそろそろ意識しはじめます。もう二度とこのメンバーがそろってオペラを創ることはない、という一期一会感が集中力と愛着を生むのです。

PRの目的とは矛盾するように難しい難しいと書いてきたこの「リア」というオペラは、35年前にバリトンのフィッシャー=ディースカウ氏の求めで作曲家ライマン氏の書いたオペラで、ヴェルディも書かなかったシェイクスピアの「リア王」を題材にしています。難しいよ、確かに。けれど、音楽とドラマがうまくかみあったときにものすごく劇的な効果を生む名作であると思う。ひとりであー難しい難しいうーと思いながら勉強していたときにはわからなかったことが、稽古を重ねることでいまはわかり始めてきたので、がぜん面白くなってきた。
初めてこの作品に接する人には(日本初演だからほとんどの人にとって初めてだと思うけれど)、シェイクスピア×ライマン×オールジャパンキャスト&スタッフのエネルギーで、きっと心をえぐられるような体験になるでしょう。ぼくも重要な役を歌います。日生劇場でお待ちしています。


11月8日(金)18:30 日生劇場(東京)
11月9日(土)14:00 同上
11月10日 (日)14:00   同上
来年の話をすると鬼が笑うけど、お正月恒例のNHKニューイヤーオペラコンサートに出演します。歌の道を志した高校生のころ、三大テノールのコンサートと並んで、オペラの世界に初めて触れたテレビ番組です。ビデオに録画して好きな歌手の歌唱を繰り返し観たものでした。
ぼくが生きているいまは、そのときのことを考えると幸せな未来であると思うし、ぼくはその日もいつもどおり楽しく自分らしく歌えて、それが誰かの記憶に残ったり、誰かの未来のきっかけになったりしたらいいなと思います。今年のオペラ歌手としての内外での仕事が認められた結果だとしたら、一生懸命やってきたかいがあったな、と、とてもとてもうれしく思っています。
鬼が笑うけど、お正月はEテレかNHKホールでお会いしましょう。

2014年1月  3日(金)19:00   NHKホール(東京)/NHKEテレ/FM(生放送)詳細

つぎの10年へ。

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日曜日の千葉でのコンサートは、榎本潤さんと、J.スコラーズ(合唱団)のみなさんとの共演でした。榎本さんとの共演がたのしいのは、リハーサルで作り練り上げたものそのままを出すというよりは、リハでは最小限のことをお互いで確認しておいて、本番でその日の音楽を創り上げるという感覚があるからだと思います。共演者のタイプにもよると思うのだけれど、ぼくはどっちも好き。もちろんその前に演奏する曲をしっかり自分自身で消化できていることが大前提だけど。

2013年10日10日は、10周年でした。
2003年のきょう、はじめて新国立劇場にソロで歌うオペラ歌手として出演しました。演し物はモーツァルト「フィガロの結婚」。この10年間、毎シーズンオペラに出ていたわけではないし、テノールからカウンターテナーへの転向もあったけど、とにかく節目ということで。いまは東京で、11月に出演する日生劇場オペラ「リア」のリハーサルの日々です。ほぼこの夏を全部使って勉強したこのオペラの音楽は、モーツァルトではなく1936年生まれのライマンさんが書いたもので、いわゆる「現代モノ」なのだけれど、音楽にはね、勉強に時間を費やした分、難しい難しいと覚悟していたものには慣れてきたと思う。ドラマがね、もちろん原作はシェイクスピアの「リア王」で、この悲劇がとにかく重いわけです。だから立ち稽古という演出をつけるリハーサルになって、一日中リハやっているわけじゃないんですよ、だけどね、役柄を演じようとドラマに入りこむほどに悲劇すぎて心が重い、ウワサの音楽も悲劇的に重い、そんな日々の疲労感なのである。
ありがとうこの10年。10年経ったけど、まだオペラ歌手でいられました。
よかった。

こんに千葉。

東京もずいぶん涼しくなりました。
そんな中、この週末は千葉にいきます。
意識したことなかったけれど、千葉でコンサートに出るのは多分はじめてです。
8月末に宮崎の川南町ではじめて共演させていただいた榎本潤さんとの再会です。
そのときは初対面にもかかわらず前日に1時間くらいしかリハをする時間がなかったのだけれど、で、演奏する曲は40分あったのだけれど、どの曲もほとんど一発でうたいたい形になりました。すばらしく音楽的に弾いてくださる方です。
ひとりで引きこもって練習している段階では忘れがちになるけれど、音楽はコミュニケーションなのである。
こんにちば。ちばであいましょう。

10月6日(日)14:00 千葉市文化センター(千葉)詳細

*『藤木大地』オフィシャルHP

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カウンターテナー歌手。
2012年、日本音楽コンクール第1位。カウンターテナーとして史上初の優勝者となり、大きな話題となった。13年にボローニャ歌劇場にデビュー。14年、15年には N H K ニューイヤーオペラコンサートに2年連続出演し、さらにはウィーン国立歌劇場と14/15シーズンの客演契約を結ぶなど、国際的な活動を展開する、現在最も注目を集めるアーティストのひとりである。東京藝術大学卒業。新国立劇場オペラ研修所修了。新国立劇場にテノールとしてデビュー後、ボローニャ、ウィーンに留学。11年にカウンターテナーに転向。12年国際ハンス・ガボア・ベルヴェデーレ声楽コンクール世界大会にてハンス・ガボア賞を受賞。宮崎市出身。ウィーン在住。
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