2013年11月アーカイブ

節目の第九。

きょう、アルトソロとしてはじめての「第九」に出演しました。
小林研一郎氏指揮、東京フィル、合唱は東京オペラシンガーズ。
とてもぜいたくな節目でした。
2013年11月30日、満席の文京シビックホールの光景は忘れないでしょう。
きょうまで私の演奏活動を支えてくださったみなさんに感謝します。
ありがとうございます。
節目の日に。


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そして、「リア」終演からほとんど日をあけずに東京・ムジカーザでのリサイタルがありました。いちどどうしてもやりたかった、マーラーの「リュッケルト歌曲集」全曲と、もうすぐアニバーサリーイヤーがおわってしまうブリテンの作品、大好きなリヒャルト・シュトラウスの歌曲たち。ムジカーザは、6年前に自分でお借りして、友だちの力を借りて自主企画コンサートをやった思い出深い会場なのです。そこに主催公演で呼んでいただけるようになったということがまず喜び。鈴木優人さん、鈴木准さんというスペシャリストたちと共演できたことがさらなる喜び。ムジカーザのスタッフの方はいつもあたたかく、音楽への理解がより深まるようにと字幕を制作、投影してくださった八柳さん、主宰の黒田さん、会長のブランちゃん(犬)、関西からかけつけてくださったマエストロ、みなさまに感謝。
もちろんご聴いてくださったみなさまにも。

ムジカーザによる公演レポートはコチラ


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母校・宮崎大宮高校の芸術鑑賞会は、ホームグラウンドであるアイザックスターンホールを満員にして行われました。在学中に数学を教わった有枝先生からのお招きで、一年がかりで実現したコンサートでした。すべてのプログラムがおわったあと、並んですわっていた3人の男子生徒のみんなが、スタンディングオべーションでブラボーをやってくれて、うれしかったな。ありがとう。高校の先輩、ソプラノの川越塔子さんとの2度目の共演でした。
大宮、大宮、大宮、われらが学園。

次のコンサートは、東京でのはじめてアルトソロをうたう「第九」です。たのしみ。それまで、ちゃお。

11月30日 (土)15:00   文京シビックホール(東京)詳細

さらばエドガー。

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今年出演した3本のオペラの中で、今月初旬の日生劇場「リア」は一番むずかしい作品だった。でも、とてもやりがいがあった。すごい達成感も得た。シェイクスピアのドラマと、ライマンさんの音楽と、それがあるべき姿で結びつき、演じられたとき、凄まじい効果が生まれた。そこにたどり着くまでの山は高かった。オンステージ、オフステージにかかわらず、このプロダクションに関わったどの人にとっても高い山だったと思う。だからこそ、誰もわざわざ口には出さなかったけど、みんなが「同志」だった。東京での最初の音楽リハーサルに行ったとき、相手役の先輩歌手の方のあまりに書き込まれた楽譜をみて、確信した。その最初のリハーサルを迎えるまでに、どの音楽家も同じ思いをして、長い時間をかけて、この作品に向かい合ったのだ。そこから稽古がはじまり、公演を迎えた。それまでの本気を出しても登れない山だったから、みんな本気以上の力を出すしかなかったのだ。だから公演はすばらしい成功に終わり、日本のオペラ史に残る公演となった。たしかにぼくはシングルキャストで、稽古も公演も連日で大変ですね、といろいろな方に気遣っていただいたけれど、楽しくて仕方なかったし、全公演に出演できて嬉しかった。この作品のエドガーの役は日本中で自分にしかできない仕事なのだ、と思って取り組んだし、そもそも自分にしかできないことが世の中にあるということが幸せだと思うのです。このプロダクションが終わってしまってとてもさびしい。もしこのプロダクションでお世話になったみなさんでこのページをご覧になる方がいらっしゃったとしたら、改めて心からお礼をお伝えしたいと思います。
この役は、またいつか、世界のどこかの劇場で演れたらいいな。


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作曲家ライマンさんと。Danke!

今週はリア公演。

オペラ「リア」日本初演が今週にせまりました。いま、このプロダクションに関わっている多くのひとが言っているように、きっと歴史的公演になるでしょう。オペラが好きなひとも興味のないひとも、現代音楽が好きなひとも苦手なひとも、シェイクスピアが好きなひともあまり知らないひとも、だまされたと思って劇場で「体験」してほしい。一生心に残る体験になると思います。何百人ものプロのオトナが本気以上のものを出して創りあげる作品の、その一員であることをぼくは誇りに思います。

このオペラの作曲家のライマンさんも来日して、ずっとリハを聴いています。休憩ごとにぼくは衣装をきたまま客席の彼のところに言って、さっきの自分の演奏はどうだったかきくわけです。すると彼はうれしそうに親指を立ててくれたあと、「あのコロラトゥーラはもっとこう歌ってほしい」「このフレーズはそんなにセンチメンタルじゃないんだ」と、彼がこのオペラをこう作曲した意図を教えてくれるわけです。

つまりオペラは、モーツァルトもヴェルディもプッチーニも、彼らが生きているときはきっとこう作られてきたはずなんだね。彼らもオケピットや客席にいて、指揮者や歌手、オーケストラに彼らの意図を伝えながら演奏を仕上げていき、公演をしたはず。

ぼくはひとつの新しい歴史の中にいる気がします。


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11月8日(金)18:30 日生劇場(東京)
11月9日(土)14:00 同上
11月10日 (日)14:00   同上

*『藤木大地』オフィシャルHP

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カウンターテナー歌手。
2012年、日本音楽コンクール第1位。カウンターテナーとして史上初の優勝者となり、大きな話題となった。13年にボローニャ歌劇場にデビュー。14年、15年には N H K ニューイヤーオペラコンサートに2年連続出演し、さらにはウィーン国立歌劇場と14/15シーズンの客演契約を結ぶなど、国際的な活動を展開する、現在最も注目を集めるアーティストのひとりである。東京藝術大学卒業。新国立劇場オペラ研修所修了。新国立劇場にテノールとしてデビュー後、ボローニャ、ウィーンに留学。11年にカウンターテナーに転向。12年国際ハンス・ガボア・ベルヴェデーレ声楽コンクール世界大会にてハンス・ガボア賞を受賞。宮崎市出身。ウィーン在住。
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