歌劇団ひとり。

実は予定GUYに日本におります。急遽オファーをいただいた、NHKの「名曲アルバム」の収録のためです。曲名までもう書いていいのかわからないのでまだ書かないけれど、とても思い入れのある曲を歌います。そんな曲を名曲アルバムに加えるにあたり、その曲ならふじきだろう、と、わたくしを指名していただけて、感謝の念にたえません。本当にありがたいことです。

普段のコンサートやオペラの公演のときは、数日から数ヶ月をかけて、本番まで創り上げて行くプロセスがあります。リサイタルのときはピアニストやギタリストと、オペラやオーケストラとのコンサートならもっと大勢の音楽仲間と。ところが今回はですね、当日のみ、1時間で完結するセッションであります。これ、全然気にしていなかったけど、収録当日が近づくにつれて、過ごし方が難しくなってきた。慣れてないからね。本当に、その日その時間帯まで誰にも会わない。常にひとりで準備をしているわけです。歌劇団ひとりであります。そんな歌劇団ひとりは収録前夜、景気付けに歌劇団ひとり焼肉を遂行してみたのであります。栄養はついたけれど、景気は付いていない気がします。ひとり旅、ひとりゴハンは慣れているけど、今回はちょっとした、ソリストの孤独を感じております。なぜでしょう。やり慣れたプロセスがないからだろうな。

高校生のころ、放課後に合唱部が部活をする音楽室に隣接した小さな部屋で、わたくしは声楽とピアノの練習を独り黙々とやっていました。自分は独りで歌う人(ソリスト)になるんだ、と思っていました。合唱部全員の声より大きな声をだしてやる、とか意気がっておりました。そんなわたくしに、合唱部に所属する後輩(たぶんクボタさんという女の子だった)が言いました。「先輩、音楽の醍醐味はセッションですよ。」おっしゃる通りでした、クボタさん。はやくぼくも、この収録のために編曲されたオケの音が聴きたい。ハーモニーの中で歌いたい。

それが終わったらすぐにウィーンに戻ります。きっとまたブログは止まるでしょう。10月の件でいまのうちにひとつお知らせをします。

大学の同級生のミュージカル俳優、井上芳雄さんと夏にウィーンで会いました。何年ぶりだったかな。たぶん7年くらい。彼との出会いは高校2年生のときの声楽コンクールの全国大会だったから、ほぼ20年来の関係ということになります。その彼がこれまで何度もミュージカルの舞台で演じてきたモーツァルトの足跡をたどる番組のロケに、対談形式でちょっとだけ参加、出演させていただきました。

10代後半から20代前半にかけての芳雄君とのエピソードは書けば尽きないのだけれど、仕事でウィーンで再会できるなんてサイコーだった。以下の予定で放送されますので、よろしければごらんください。

ミュージカルとオペラ、どっちも歌だし、いつか舞台で共演したいな、と話した楽しい再会でした。

10月25日(土)19:00-20:55
BSフジ 「井上芳雄ウィーン音楽紀行〜素顔のモーツァルトを探して〜」詳細


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カウンターテナー歌手。
2012年、日本音楽コンクール第1位。カウンターテナーとして史上初の優勝者となり、大きな話題となった。13年にボローニャ歌劇場にデビュー。14年、15年には N H K ニューイヤーオペラコンサートに2年連続出演し、さらにはウィーン国立歌劇場と14/15シーズンの客演契約を結ぶなど、国際的な活動を展開する、現在最も注目を集めるアーティストのひとりである。東京藝術大学卒業。新国立劇場オペラ研修所修了。新国立劇場にテノールとしてデビュー後、ボローニャ、ウィーンに留学。11年にカウンターテナーに転向。12年国際ハンス・ガボア・ベルヴェデーレ声楽コンクール世界大会にてハンス・ガボア賞を受賞。宮崎市出身。ウィーン在住。
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このブログ記事について

このページは、Daichiが2014年10月 9日 00:16に書いたブログ記事です。

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